能勢町の「休日花屋」

「大阪府のてっぺん」こと能勢町で、土日限定で小さな花屋さんをやっています(お店はありません)。

丹波大黒の苗、スタート

毎年恒例、丹波黒豆の苗を出荷しはじめました。
草花や野菜を育てるのはあまりうまくありませんが、丹波黒豆の苗だけは「ホームセンターのものより、よい」という自信があります。


というのも、ホームセンターだと2〜3粒まきが多く、見た目にはお得感があるのですが、植えると3つの種が競合し合って徒長します。ただでさえ徒長しやすい丹波大黒です。特徴的な大粒をちゃんと稔らせるには徒長を抑える必要があります。
私も能勢に来た1年目は、冬が早いこの地方では早めにまかないと黒豆がとれない、と、6月中旬にまいて、梅雨時期に見事に徒長し、台風で倒伏。サツマイモの畑のような、無惨な姿になりました。


徒長を抑えるには色んな方法がありますが、苗の時点でできるのは「摘心」という方法です。これをやっとくと、上にのびる力が抑えられ、肥料をけっこうやっても、少々日当りが悪くてもツルになりません(サラリーマン時代には、アパートの日照3時間ほどの庭でエダマメをつくっていました)。上の写真をみると2粒まきのようにも感じますが、摘心によって2本仕立てになっているだけです。これなら株同士が競合することもありません。


本当は、直売所で苗を買ってほしいですが、家庭でもできるように、やり方を説明します。


6月下旬に育苗箱にバラまきした大豆は、蒸し暑い気候のせいで、ご覧のようにめちゃめちゃのびます。
これを、思い切って、根元からハサミでぶったぎります。
摘心以外にも「断根」という作業もやっているのです。

そのうえで、最初の本葉も切ってしまいます。
左がアフター、右がビフォー(根はきってある)。
丈が全然違います。

すっきりした大豆を、よく濡らした培土に挿します。
挿し木です。
私、花木の挿し木が大好きでよくするのですが、
それよりも気を使わなくてよいです。
土は肥料入りでよいし、発根促進剤もいりません。
大豆は強いので、そこそこの日向でも根づきますが、水やりが面倒なので、
やや日陰におきます。
菊やアジサイより杜撰な管理で、待ちます。


慣れてくると、苗100本つくるのに10分もかかりません。
辺りには、もやし臭が漂います。


約1週間後には新しい葉が出ています。これはのびすぎだけど。
葉が開いたものから順次、鉢あげし、日当りのいいところに移動します。
根が回れば、出荷するなり、畑に植えます。

この頃になると、根っこが一つもなかった大豆に、これだけの根が出ます。
中には、断根をすると根が増えるという人もいますが、
私自身は実感はありません。挿す土によるのでは。



そんなわけで、地味に手間がかかっている丹波大黒の苗、
能勢町の物産センターに登場していますので、いっぱい買ってください。